ホームページ制作のリース契約は詐欺! 騙される前に知るべきデメリット
ホームページ制作のリース契約って何?
ホームページ制作のリース契約にはどんな危険性があるの?
今回は、ホームページ制作のリース契約に関する、上記のような疑問にお答えします。
本記事の内容
- 大前提としてホームページ制作はリース契約できない
- ホームページ制作をリース契約するデメリット
- ホームページ制作のリース契約を解約する方法
本記事の執筆者
こんにちは、ホームページ自作ラボ管理人のリュウです。
私は、現役のWebデザイナーとして、ホームページ制作会社の代表をしています。
本記事は、以下のような人にオススメです
- ホームページ制作のリース契約を検討している。
- ホームページ制作のリース契約のデメリットを知りたい。
本記事を読むことで、ホームページ制作のリース契約を解約する方法について知ることができ、騙される前に正しい知識を身につけることができます。
結論を先に言うと
ホームページのリース契約は、百害あって一利なしです。
デメリットしかないので、絶対に騙されないように気をつけてください。
では、ホームページ制作のリース契約について徹底解説していきます!
このページの目次
大前提としてホームページ制作はリース契約できない
ホームページ制作のリース契約について解説します。
大前提として、ホームページ制作はリース契約できないことを頭に入れておいてください。
リース契約って何? レンタルとは違うの?
リース契約とは、会社が設備投資をする際に、物件を購入するのではなく、リース会社から長期間借りて利用する契約のことです。
会社でよくリース契約されるものには、コピー機・パソコン・自動車など多岐にわたります。
「レンタル契約とは違うの?」と思われる人もいると思います。
「借りる」という点は同じですが、リース契約とレンタル契約では、契約期間の長さが違います。
一概には言えませんが、リース契約は半年~10年など中長期的な契約になるのに対して、レンタル契約は日単位や月単位の短期的な契約が多いです。
リース契約は、物件の所有権はリース会社にありますが、購入した場合とほぼ同様に、長期間使用できるのが特徴です。
リースってレンタルと同じように、自分の物にならないんですね。
はい。しかも、支払いの合計金額には手数料も含まれるので、普通に買うより高額になります。
ホームページ制作のリース契約とは?
ホームページ制作を業者に依頼すると、制作費を支払うことになります。
制作費は、ホームページのボリュームや仕様、制作会社によっても異なりますが、数十万円から数百万円ほど掛かります。
数十万円以上の制作費を一括で支払うことが難しいというクライアントも少なくありません。
そこで、リース契約をすれば初期費用が無料になり、支払いは毎月定額の月額費用のみです。
ホームページ制作のリース契約は5年契約であることがほとんどで、仮に月額3万円のリース契約であれば、5年間(60ヶ月)で合計180万円を支払うことになります。
ちなみにリース契約で審査に通れば、業者には5年間分の売上からリース会社の手数料を引いた金額が、一括で入金されます。
支払う側は5年間毎月支払っている感覚ですが、制作会社は最初に一括で受け取るので、お互いの感覚のズレがトラブルの要因にもなっています。
ホームページのリース契約はトラブルが多いので、取り扱わなくなったリース会社も多いです。
5年も途中解約できずに縛られるなら、不満につながりやすいですよね。
ホームページ制作はリース契約できない
実は、法的にホームページ制作はリース契約ができません。
なぜなら、リース契約はコピー機のように形のあるもの(有形)しかできないので、無形のホームページはリース契約できないのです。
「ホームページも見れるなら形があるのでは?」と思われるかもしれませんが、ホームページ自体はデータの集合体でしかないのです。
そして、ホームページ制作という役務(サービス)も無形なので、リース契約ができません。
そのため、形のあるもの、例えばハードディスクやCD-ROMなどでリース契約をして、ついでにホームページ制作をするという裏技を使った契約が横行しています。
ホームページ制作のリース契約において、ホームページ制作はオマケでしかなく、違法性のある契約と言えます。
ホームページ制作のリース契約は、詐欺だと思っておきましょう。
そんなグレーな契約で5年も支払いが続くなんて恐ろしいです。
甘い営業トークには要注意
リース契約をしたいために、営業マンは以下のようなトークをします。
- 「本来は制作費が100万円以上、月額サポート費用が3万円するから、月3万円のリース契約の方がお得です」
- 「本日中に契約なら制作費を無料にできるので、すぐ契約してください」
- 「リース契約なら節税になるのでお得です」
あまりゆっくり考えさせないようにして、契約を急かせる営業マンが多いです。
甘い営業トークには注意して、初めて出会った営業マンと即日契約するのは止めましょう。
リース契約を迫ってくる営業マンは、だいたいテレアポで営業しています。
ホームページ制作の営業電話には要注意ですね。
ホームページ制作をリース契約するデメリット
ホームページ制作をリース契約するデメリットは、以下の通りです。
不満があってもリース契約を解約できない
リース契約は、中途解約ができません。
中途解約できないことは、リース契約で最大のデメリットであり落とし穴です。
世の中には月々支払うタイプのサービスがたくさんあり、いつでも解約できることが多いです。
その感覚で「不満があれば止めたら良い」と思っているのは大間違いです。
リース契約は、ホームページに不満があろうと、制作会社の態度が不誠実であろうと中途解約はできないのです。
どうしても解約したい場合は、残債を一括払いするしかありません。
例えば、5年契約で既に1年分を支払っているなら、残りの4年分を一括でリース会社に支払う方法です。
「不満があって解約したいのに、残債を支払ったら解約できるって(怒)」となると思いますが、これがリース契約の恐ろしいポイントです。
契約時には、リース会社側に有利になる規約に同意して署名捺印しているので、法的に争うのは難しいです。
弁護士に依頼するにしても高額の報酬が発生しますし、時間も労力も掛かるし、なかなか大変ですよね。
クーリング・オフ制度が適用されない
ホームページ制作のリース契約をしてしまった直後に「8日以内ならクーリング・オフ制度で解約できるはず」と思う人もいるでしょう。
しかし、ホームページ制作のリース契約にクーリング・オフ制度は適用されません。
クーリング・オフ制度は「一般消費者」を対象とした制度なので、事業者の契約には無関係です。
参考:事業者間の取引に関しては、クーリング・オフは適用されません(中小企業庁)
何でもクーリング・オフができると勘違いしている人も多いですが、事業者の契約については適用外です。
リース契約に限らずですが、ビジネスをするなら契約は慎重にしないといけませんね。
リース契約が満了してもホームページの所有権はない
リース契約とは、リース会社から「借りる」契約なので、契約満了後には返さなくてはいけません。
そのため、5年間掛けて多額の支払いが終わった後も、あなたにホームページの所有権はありません。
そのため、ホームページが削除される可能性があります。
とは言え、急にホームページが削除されることは少なく、リース契約の満了が近くなった頃に制作会社から連絡があります。
そして「もうすぐ契約満了なので、ホームページをリニューアルしませんか?」と言葉巧みに、新しいホームページのリース契約を迫ってくることも珍しくありません。
そして、ホームページ制作で再び、5年のリース契約をしてしまう人も多いです。
5年も掛けて大金を支払ったのに、ホームページの所有権がないって…。
現実的に「ホームページを返せ」とはなりませんが、5年以降も新たな費用を支払うことになるケースも多いです。
リース契約が満了したら次は再リースの落とし穴あり
上記では、リース契約満了後、新たにホームページ制作のリース契約を迫られるケースをご紹介しましたが、再リースを迫られるケースも多いです。
再リースとは、リース契約した物件の契約満了時、再度契約することです。
それまでの支払額より大幅に安い金額でリース契約ができます。
「契約満了になるとホームページが消えるので、今のホームページを残すために再リース契約しませんか?」という感じで迫ってきます。
しかし本来、ホームページ制作はリース契約できず「ついでに作ってもらったもの」なので関係ないはずです。
そうは言っても、ホームページのサーバー自体を制作会社が管理しているケースが多いので、ホームページを残すために再リースの契約をする人も多いです。
ホームページのリース契約をしてしまう人は、5年後も営業マンに言われるままに再リースしてしまうのが現実です。
再リースするか、もう1回、新たにリース契約でホームページ制作するかって…恐ろしいですね。
支払い総額が高くなる
ホームページ制作をリース契約する人は、「制作費を一括払いするのが難しい」「できるだけ制作費を抑えたい」という人がほとんどでしょう。
そこで「リース契約なら安くホームページを持てる」と思って契約する訳ですが、逆にリース契約の方が支払総額が高くなることがほとんどです。
初期費用ばかりに注目していると「本来は100万円するのに無料なんてラッキー」となるかもしれません。
しかし、月額3万円で5年のリース契約だとすると、5年間での支払総額は180万円です。
リース契約の方が大幅に高くなっています。
「でも営業マンは、100万円で制作しても月額3万円は必要と言ってたから、初期費用の100万円分がなくなって良くない?」と思う人もいるでしょう。
「100万円で制作しても月額3万円が必要」というのは悪徳営業マン定番の営業トークです。
そもそも、ページ数が少ない普通のホームページで制作費100万円は高すぎるので、その金額自体がウソです。
無駄に高額な費用を支払うことになるのが、ホームページ制作のリース契約です。
高額商品でも分割払いならハードルが下がって、買ってしまうワナと同じですね。
適切なタイミングでリニューアルできない
ホームページは一度作ったものを使い続けるのではなく、事業の内容や戦略などの変更にともない、リニューアルをするべきです。
しかし、ホームページのリース契約は5年であることが多く、その間はリニューアルができません。
途中でリニューアルの必要があっても、5年の契約期間満了まで待つしかなく、適切なタイミングでリニューアルできません。
変化の激しい時代に、5年の契約に縛られるのでは大きなデメリットです。
ホームページは3年前後でリニューアルするケースもあるので、5年の縛りは長いです。
せっかく新しい事業戦略で「ホームページもリニューアルしよう!」となっても、契約期間が終わるまで待つことになるのは微妙ですね。
制作会社が倒産しても支払いが続く
勘違いされがちですが、リース契約とは「クライアントとリース会社の契約」です。
制作会社との契約ではないので、毎月の支払先はリース会社です。
もし制作会社が倒産しても、リース契約はなくならず、毎月の支払いは5年の契約満了まで続きます。
悪質な業者は、近いうちに自社が倒産することが分かっていても、リース契約を勧めてきて契約を結ばせます。
リース会社の審査が通れば一括で売上金が振り込まれるので、ホームページが完成しているかどうかは関係ないからです。
当然、倒産した制作会社がホームページ制作をしてくれることはないですし、倒産時点でホームページが完成していたとしてもサポートはありません。
最悪、サーバーも制作会社が管理しているのであれば、ホームページがなくなるケースもあります。
リース契約は、リース会社との契約であることを理解していない人は多いです。制作会社が倒産してようが、サポートに不満があろうが、支払いは契約満了まで続きます。
ホームページのリース契約をした時点で5年間支払うことだけは確定しているのに、他は5年の間にどうなるか分からないって怖い。
支払いが始まっているのにホームページが完成しないリスクあり
ホームページ制作のリース契約の場合、リース会社の審査が通りリース契約が確定してから、ホームページ制作を始めます。
リース契約が確定した直後から、月額のリース料の支払いがスタートします。
ホームページが完成し公開するまでの期間は、2~4ヶ月間ほど掛かります。
進むのが遅いと、半年以上掛かることも珍しくありません。
つまり、ホームページ制作中でまだ公開していない期間も当然、リース料の支払いはあります。
中には、1年たっても完成していないのに、リース料だけ支払い続けているというケースもあります。
3ヶ月後に完成したホームページの仕上がりに不満があったとしても、支払いは既に始まっています。
支払いが始まってりうのにホームページがまだできていないって、気持ち的にも嫌ですね。
ホームページ公開後にサポートしてもらえない可能性あり
リース契約を迫ってくる営業マンは「僕が5年間、しっかりサポートします!」とアピールをすることが多いです。
しかし、ホームページをリース契約した場合のサポートは期待できません。
なぜなら、制作会社には最初に一括で5年分の売上金が入ってくるからです。
その売上額が営業マンの成績になり、歩合給に反映されます。
つまり、営業マンは次々と新規のリース契約を取ることが使命であり、それが評価対象になります。
営業マンが、わざわざ時間を掛けて既存客のサポートをしても、特にメリットがありません。
最初だけ親切にされて、リース契約が確定した後は、連絡すら来ないことが普通です。
そもそも営業マンは、新規契約を取ることに特化した人材なので、ホームページの技術的なことはもちろん、Webマーケティングについても詳しくない人が多いです。
最初だけ優しいって・・・昔、そんな男がいたような気がします。
リース契約だけして制作しない悪徳業者に当たる可能性あり
これは、かなり悪質でレアなケースですが、リース契約だけしてホームページ制作をしてくれない可能性もあります。
ホームページ制作はリース契約ができないため、CD-ROMやハードディスクを対象にリース契約をする訳ですが、その物を渡すだけで終わりにする悪徳業者に出会う可能性もあります。
「リース契約の対象になっている物は渡したから」という口実で、最初からホームページ制作をするつもりがないという訳です。
リース契約ではホームページ制作の契約を証明するものがなく、泣き寝入りするしかないことが多いので気をつけましょう。
ここまで悪質なケースはめったにないですが、リース契約をするなら、こういう可能性もあり得ることは頭に入れておきましょう。
いや、デメリットだらけのリース契約はやめておきます。
ホームページ制作をリース契約するメリット
ホームページ制作をリース契約するメリットについて解説します。
依頼する側にとってメリットは何もない
ここまで読んでいただいた人に、わざわざ書くことでもないですが、ホームページ制作をリース契約するメリットは何もありません。
ホームページ制作のリース契約するのは、絶対に止めてください。
制作会社にとってリース契約はメリット多数
ホームページ制作を依頼する側には何のメリットもないですが、制作会社にとってはメリットが多いのがリース契約です。
リース契約は、制作会社にとって以下のメリットがあります。
- 通常の制作費と比較して、大幅に高い売上を上げられる。
- 個人事業主や小規模な会社でも、初期費用¥0のリース契約なら、契約を取りやすくなる。
- ホームページが完成していなくても、リース会社から一括で売上が入る。
- 更新ソフトをクライアントに渡しておけば、クライアント自身でホームページを更新するので手離れが良い。
上記のようなメリットが制作会社にあるので、必死になってリース契約を迫ってくる訳です。
ホームページ制作のリース契約を解約する方法
「もうリース契約してしまった」という人のために、ホームページ制作のリース契約を解約する方法について解説します。
無理な可能性が高いが、まずは制作会社に相談する
無理な可能性が高いですが、まずは制作会社の担当者に相談してください。
中小企業庁のホームページでも、以下のように記載されています。
事業者間の契約についてトラブルが発生した場合は、原則として、当事者間で解決することとなります。
出典:【中小企業庁】その契約は本当に大丈夫ですか?(トラブルを未然に防ぐために…)
制作会社はリース会社との関係もあるので、法的措置を取る準備があることを伝えれば、誠意ある対応をしてもらえるかもしれません。
弁護士に相談し、流れ次第では民事訴訟をする
制作会社と話し合っても、解決できない場合は、弁護士に相談してください。
相談できそうな弁護士がいない場合は、法テラスに相談してみるのも良いと思います。
最初から民事訴訟をするのではなく、弁護士の名前で契約解除通知書などを送付する方法もあります。
それでも解除に応じてもらえない場合は、民事訴訟をして裁判で争う方法を取るしかないでしょう。
リース契約をしなくてもホームページ制作は低コスト可能
ホームページ制作のリース契約をしてしまう理由は、まとまった制作費を確保するのが難しいからだと思います。
そこで「初期費用無料でホームページを持てます」という甘い営業トークに乗って契約してしまったという人が多いでしょう。
しかし、リース契約をしなくてもホームページ制作費を低く抑える方法はあります。
リース契約を扱っている制作会社のホームページは低品質
私が知っている限り、リース契約を扱っている制作会社のホームページは、比較的低品質であることが多いです。
リース契約を扱っている制作会社は「営業会社」と言って、営業が主体になっている傾向があります。
制作よりも営業活動に力を入れていて、少しでも多く利益を出すために、安いフリーランスに制作を外注しているケースが多いです。
そのような低品質なホームページに、高額の費用を使う価値はありません。
自作すればホームページ作成費用を圧倒的に低くできる
制作会社にホームページを依頼すると、初期制作費だけでも数十万円以上のコストが掛かります。
しかし今の時代、ホームページは初心者でも簡単に作れます。
『ホームページ作成サービス』や『ネットショップ作成サービス』を使用すれば、圧倒的に低コストなので、ぜひ自作も検討してみてください。
ホームページ制作のリース契約 まとめ
今回は、ホームページ制作のリース契約について徹底解説しました。
ホームページのリース契約は、百害あって一利なしです。
デメリットしかないので、絶対に騙されないように気をつけてください。
ホームページに大きな予算を取れない場合は、『ホームページ作成サービス』で自作することをオススメします。